内容説明
大山への強烈な敵愾心と飽くなき探究心を武器に将棋界の既成概念を次々と覆した孤高の棋士、山田道美。現代将棋思想の先駆者の波乱に満ちた生涯を丹念な取材と自らの体験をもとに鮮明に描いた棋史の語り部・田丸昇八段渾身の書き下ろし。
目次
第1章 大山とタイトル戦で激闘
第2章 苦しみ悩んだ青年時代
第3章 狭い将棋観を突き詰めて一流棋士に
第4章 公私に充実した棋士生活
第5章 突然の病魔に襲われて36歳で急逝
第6章 現代の一流棋士が見た山田将棋
著者等紹介
田丸昇[タマルノボル]
1950年5月5日、長野県北御牧村生まれ。1965年、佐瀬勇次名誉九段門下で6級。1972年4月1日、四段。1991年4月16日、八段。1990年、第15期棋王戦で挑戦者決定戦に進出。1992年、B級1組順位戦でA級に昇級。A級在位1期、B級1組在位16期。2001年2月から2003年3月まで、「将棋世界」誌の編集長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kokada_jnet
49
1970年に36歳で死去した将棋棋士・山田道美の評伝を、生前に親交もあった田丸昇九段が2012年になって書いたもの。まだ「道楽・遊興の一種」とみなされていた将棋を「真摯な精神的競技」に変えるのに、非常に影響があった人物である。14歳で将棋を覚えるという晩学ながら、3年後の17歳でプロ四段になるという早さには驚く。名曲喫茶で知り合った夫人との、昭和的なうるわしい恋愛話もあり。2021/08/07
gtn
8
努力の人であり、誤りがあれば正直に告白する生真面目な人であった。早世したが、仮に健康を保っていたとしても、山田時代が到来したかどうかは微妙。しかし、死後このような本が著されたのは人徳以外のなにものでもない。2019/09/22
kinaba
2
何度この時代の本を読んでもしかし大山名人の存在が大きすぎる2017/02/06
yasuhitoakita
1
さくっと読了。現在将棋が純粋な頭脳ゲームとして成立しているのは山田九段のおかげだ^^ 2013/01/27
てらさか
0
「すごかった人」という印象しかないので、読んでみていろいろ分かった。ストライキさえなければ助かったのかと思うとやるせない。2019/02/04