内容説明
コンピューターの中核であるCPUという名のブラックボックス。その動作の「超」基本原理から具体的な設計例までを解説。アキバで手に入る部品だけで実際の製作も可能。
目次
1 はじめの一歩のその前に
2 LED
3 デジタル回路の基礎の基礎
4 リセットとクロック回路
5 ROMを作る
6 CPUの設計準備
7 1bitCPU(らしきもの)
8 ALUとプログラムカウンタ
9 命令デコーダ
10 全回路図
11 動作確認
著者等紹介
渡波郁[トナミカオル]
回路技術屋。コンピューターメーカー退社後独立、今に至る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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mazda
12
うん10年前に触っていた頃のことを思い出しましたが、いくら技術が進歩しても、デジタル回路である以上、フリップフロップやインバータ、AND/ORゲートの羅列になっているんですよね。プログラムメモリに格納されたプログラムをデコーダに解読させて、命令を実行。基本的には足し算をするだけなので、CPUそのものの差別化という意味ではスピードくらいでしょうか。最近はCPUよりもGPUの方が意味ありかと思います。2019/12/06
gill
11
結構な分量にも関わらず,軽妙な語り口で驚異的に読みやすかったです.CPUがどう構成されるか,どのように動くか,どう動かすか,などといったことは様々な書籍や講座で学びましたが,どう設計するか?というのは初めてでした.ある意味,今までに自分が学んだ中でも最も低レイヤな部分を理解して少し感慨深いです.ブラックボックスだったものが,案外単純な仕組みの組み合わせで動いていることが分かったことが嬉しいです.近々,本書の4bit CPU,あるいはそれを拡張したものを試作してみようと思います.2018/02/15
むらきち
8
CPUの仕組みや凄さがよく分かる良本。前半は初心者にも読めるように配慮されており、ど素人の自分も取っつきやすかったです。中盤以降は苦行でした……。CPUの説明が終わるまで300ページ弱が費やされますが、その後に書かれている自作CPUの能力の限界まで使ったサンプルプログラム『ラーメンタイマー』がたった1ページで収まっており愕然とします。何気なく使ってるPCやスマホって、凄まじいモノが搭載されているのですね。2021/05/05
vinlandmbit
8
絵に惑わされてはいけない名著。まずこれを理解せねばというCPU初心者の登竜門をしっかり抑えているので、CPUに関連するハードウェア/ファームウェア/ソフトウェアエンジニア総じてお勧め出来る一冊。
オザマチ
7
教科書で学ぶ基礎的なデジタル回路の話と、CPUの動作原理の話との間にある溝をしっかりと埋めてくれます。アナログ的な実装技術・計測ノウハウみたいな話についても、工作に必要な分だけを丁寧に解説してくれています。マイクロコンピュータを使ったことがある・これから使う人にもオススメな一冊です。2013/02/22