内容説明
1970年11月25日―三島由紀夫(1925~1970年)は「楯の会」隊員数名と自衛隊市ケ谷駐屯地に突入、自衛隊員に決起を促すが実らず、総監室にて自刃した。戦後民主主義と知識人の欺瞞に、毅然と立ち向かった三島由紀夫の孤高の闘いとは何であったか。本書は、その予言的行動の意義を説きあかす。―繁栄とは、平和とは、自尊心とは?すべての日本国民に問う、正義と勇気と行動の書。
目次
1 ニホン人のための日本入門
2 日本語練習講座
3 サムライの心得
4 エロスと政治について
5 おわり方の美学
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
17
三島の文章をまとめたものですが、既読のものばかりでした。しかし、重要な文章であることは間違いないと思います。「美しい人は夭折すべきであり、客観的に見て美しいのは若年に限られているのだから、人間はもし老醜と自然死を待つ覚悟がなければ、できる限り早く死ぬべきなのである。」2014/05/16
関東大震災の被災者、特に虐殺された朝鮮の皆様に追悼・寺
3
『お茶漬けナショナリズム』と『文章読本』の抄録が面白かった。『お茶漬け…』の中で近代史を女性の風貌に見立てた所は、上手いなあ…と感心。2011/08/05
yocco@
1
現在の日本人観と変わらないというのが凄い。後書きで三島由紀夫は20年先の戯曲を書くと書かれていだかそれどころではない。お茶漬けの話を始めとして楽しく読めた。他の三島作品を再読せねば。2017/06/26
mochizo
1
三島由紀夫さんの文章の中では読みやすいです。そして、彼の考え方が理解できる本でもあります。死を求める武士道と、生を求める芸事との中で小説家として存在を葛藤する三島由紀夫の考えも理解できます。あと、若者の無理心中は美しく、中年の無理心中は醜いという考えも三島文学ですかね。また、三島文学の何か読んでみますか。2015/10/06
nizimasu
1
後半はいつものしかめっ面をした三島なら、前半はくだけた雰囲気の三島の文章。中でも日本人論ともいえる「お茶漬けナショナリズム」に「アメリカ人の日本神話」は日本人論としてもかなり的確にわかりやすく表現していて、個人的にはかなりしっくりきた。日本人論は、内田樹さんの「辺境論」をはじめ、まだ日本神話の中でいきているなあと気づかされる2012/06/09