内容説明
制度化された生と性の物語に回収されることを拒否する富岡多惠子のはぐれものたち―。本書は、富岡文学の前衛性を明らかにし差別の構造を解体するラディカルな表現を分析したフェミニズム批評である。再び台頭する若い世代の差別への抗議に応えジェンダー制度を見つめ直した一冊。
目次
序文―富岡多惠子と場所の記憶
家族のトラウマと語り―『逆髪』まで
富岡多惠子の「語り」と女性のナラティヴ―『動物の葬禮』と参列者
「冬の国」からの旅、ガリヴァーの行かなかった共和国へ―『ひべるにあ島紀行』
異形とジェンダー越境―『逆髪』を読む
“哀れな女”から“自由なハグレ者”へ―富岡多惠子の評論「女の表現」におけるハウスキーパー像の転換
富岡多惠子の過激な反逆精神―『砂に風』『波うつ土地』『白光』をめぐって
Bodies Beyond Reproach:Sex,Sanctity,and Straw Dogs 恥辱を超越する身体―性、聖域、そして『芻狗』
In the Voice of Amanojaku:Tomioka Taeko’s Poetry of Refusal 天邪鬼の声:富岡多惠子による拒否の詩
富岡多惠子の詩の世界
富岡多惠子の文学世界―年譜風に
著者等紹介
水田宗子[ミズタノリコ]
比較文学者(アメリカ文学、比較女性文学、ジェンダー文化論、現代詩批評)、詩人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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