内容説明
行財政改革―新区長、財政再建課長から羽交い締めにあう。まちづくり―街並み再生地区が動き出す。公共資産活用―新庁舎には区民の税金は使わないと宣言する。財政破綻に瀕した自治体の、起死回生のドラマ。
目次
第1章 220億円の環境庁舎を財政支出なしで建設する
第2章 財政危機招来の構造
第3章 財政再建の道のり
第4章 アイデアで新生としまの活路を開く
第5章 苦闘からハッピーサイクルへ
第6章 資産活用による新庁舎整備計画
第7章 新庁舎建設にいたるドラマ
第8章 安全・安心の「自然な社会」を目指して
著者等紹介
溝口禎三[ミゾグチテイゾウ]
税理士。ふるさと豊島を想う会事務局長。昭和28年、12人兄弟の末子として青森県に生まれる。昭和50年、東京経済大学経済学部卒業。南池袋で溝口税理士事務所を営む。株式会社白青舎社外監査役。東京芸術劇場外部評価委員。池袋の路面電車とまちづくりの会事務局。としま未来文化会議委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takizawa
7
財政支出ゼロのカラクリ:市街地再開発事業に伴う権利変換による権利床取得+保留床購入(現庁舎跡地を定期借地権方式で民間に貸し付けることにより購入費を賄う)。わーこれは凄い。豊島区以外ではとても真似できない。しかし立地条件に恵まれ財政的にも裕福な自治体だから何の努力もなく新庁舎設立まで漕ぎ着けたわけでは断じてないようだ。上述の2つの方法にしても,財政難に陥って改革が求められた際のノウハウを活かしている。アイディアと決断力,粘り強い交渉力が絶好のタイミングを逃さなかった。そこからは学べるものがあるでしょう。2012/10/27
Taka
1
バブル崩壊後、財政が危機に瀕したが、新区長のもと、行政の効率化や遊休資産の活用などで財政健全化につとめる。その傍ら、高層ビルを建てて半分を分譲住宅とすることで資金を捻出して新庁舎を建設する。 確かにこれらを実行した区長はすばらしいと思うが、結局、地価が高く、人口の多い東京だからこそであり、他の地方自治体でまねられるようなことではない。改革をもう一歩進めて220億円の圧縮(職員削減による庁舎のミニマム化)などの取り組みが書かれていると共感できた。2013/03/11
teihen
0
日本全国の市区町村で、一番人口密度の高い場所は???豊島区。その豊島区の新庁舎が2015年5月にオープン。バブル崩壊以降、財政状況がとんでもないことになってた豊島区。そんな区を再建させ、新庁舎ができるまでの道のりが書かれている。やっぱり、行政改革は、生粋の行政マンには無理で、民間出身者にこそ適任者がいるんじゃないかと強く思えてくる。2015/12/19




