内容説明
シャデーが登校の準備をしていると、突然銃声が鳴り響き、母が倒れた。ナイジェリア軍事政府の批判記事を書き続けているジャーナリストの父を狙った、何者かの仕業だった。シャデーと10歳の弟フェミは、その日のうちに、あわただしくロンドンへ脱出させられる。空港で出迎えてくれるはずの叔父はなぜか現われず、姉弟の密入国を手引きした謎の女も行方をくらまし、二人は西も東もわからない非情な大都会のただ中に放り出されてしまった…。
著者等紹介
ナイドゥー,ビヴァリー[ナイドゥー,ビヴァリー][Naidoo,Beverly]
1943年、イギリス自治領南アフリカ連邦に生まれ、白人社会の一員として育った。大学時代に反アパルトヘイト運動に身を投じて捕われ、8週間の獄中生活を送る。この体験による目覚めが彼女の作家としての姿勢を方向づけた。65年、イギリスに亡命。85年、児童向け処女作Journey to Jo’burg(『ヨハネスバーグへの旅』)を発表、英・米で4つの賞を受賞した。89年のChain of Fire(『炎の鎖をつないで』偕成社)、95年のNo Turning Back(『もう戻らない』)も数々の賞に輝いている。『真実の裏側』で2001年、英国で最も権威のある児童文学賞、カーネギー賞を受賞した
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
1995年、福岡県生まれ。九州大学教育学部卒業
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感想・レビュー
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るりこ
4
続けて読んだ難民の本。こちらもまたどうしようもなく辛く重い。でも不正や差別に屈することなく真実を伝えていこうとする勇気とその行動にはどうしようもなく心揺さぶられる。辛い環境に追いやられた主人公の心の動きや行動にも引き寄せられる。これもまたもっと多くの人に読まれて良い本だと思う。でも小学校の高学年では読むのは厳しいかも。せめて高校生から、だろうか。う~ん、でも高校生は読む時間なんてないだろうな。2012/09/06
livres
2
新聞記者の父親が語った真実のために、国に母親を殺されてしまった主人公のシャデー。亡命のため偽造パスポートで親類を頼りに密出国する。小説だけれど私達が知らない現実が書かれている。もっとたくさんの人に読んでもらいたいなと思う。2009/11/01
ささ
1
90年代の荒れるナイジェリアから始まる物語。わくわくするような楽しいお話ではないかもしれません。あらすじだけ読むと、重くてしんどいお話のようですが、個人的にはそんなに重くはなかったです。 続き https://kodomonohonnnomori.hatenablog.com/entry/2019/02/04/203510?_ga=2.38469994.87010763.1549951010-121216518.15412876222019/02/13