内容説明
一人の男に託された民族の夢、槍のごとく胸をえぐる歓喜と哀傷の詩。スー族の語り部、天を仰ぎ地に伏して大いなる精霊に歌う。絶版が惜しまれていた伝説の名著の新訳。
目次
パイプを捧げる
幼年時代
大いなるヴィジョン
バッファロー狩り
“兵隊の町”で
ハイ・ホースの求婚
ブラック・ヒルズの白人たち
“三つ星”との戦い
カスター隊殲滅
黒い道を歩む〔ほか〕
著者等紹介
宮下嶺夫[ミヤシタミネオ]
1934年京都市生まれ。慶大卒
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感想・レビュー
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吟遊
5
19世紀〜20世紀を生きたラコタ族のネイティブ・アメリカン、ブラック・エルク老人が半生を語る。それは具体性に満ち、ごまかしがなく、苛烈で、それでいてヴィジョンのあざやかな幻想性をあふれさせたもの。「一つの民の夢」が終わるという、ウーンデッド・ニーの虐殺で物語は終わる。2015/12/08
カネコ
4
◎2014/10/20
NICK6
1
白人の土地の略奪、精霊を侮辱し、民を惨たらしく殺戮、襲来反撃再反撃果てしなく。まさに闘争の日々、偉大なる啓示が舞い降りる。たった独りの少年へ。反撃敵対時の生々しい黙示。夢幻にあらず。啓示受けた自覚者の心の混乱。戦況最悪、逆境節目で訪れる、あの再現。うかうかすると目の前地獄。おまえ、どう対峙?どう生きる?、この瞬間あの瞬間の決断非決断。容赦なく突き刺す黙示。男の精神を高揚させ乱し震わす。後退敗戦と英雄の死。その時その瞬間、魂ど真ん中の震撼。孤独な魂の苦渋、痛々しく挫折、哀しい悔い。エンタメとしても震撼力強烈2020/05/29