目次
序章 タイにはタイ人はいない
第1章 地政学的背景
第2章 「スコータイ神話」
第3章 三つの世界
第4章 「チャート・タイ」の創出
第5章 現代タイの葛藤
終章 新しい「チャート・タイ」を求めて
著者等紹介
赤木攻[アカギオサム]
大阪外国語大学名誉教授。1944年岡山県生まれ。大阪外国語大学教授、同大学学長などを歴任。専門は、東南アジア地域研究(タイ政治・社会論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ucchy
1
タイ研究の碩学の集大成。タイという国の形成、社会の特徴を歴史的原因に遡って叙述。タイは、外来人が寄り合って作ったサヤーム世界(アユッタヤー)を核に、近代になってから異質なタイ世界、マレー世界を包摂し、近代国家にしたもので、タイという纏まりの歴史は浅い。タイという国名は百年未満の歴史しかない。現代においても、アユッタヤーの外来人国家性やサックディナー制が残存し、汚職、不可視の身分制やオープン性に繋がっている。私のタイでの生活経験を踏まえても納得がいく。「タイにはタイ人はいない」というのは本当にそうだと思う。2025/09/13
かーんたや
1
仏教民主主義2019/12/22
しまうま
0
葛藤の基本的要因は、タイの出発が「外来人国家」だった点に求められる。つまり、タイの故郷である「サヤーム世界」が各地からの「外来人」寄合所帯からなる商業的利益を追求する世界であり、その他にはほとんど社会的紐帯を持ち合わせていなかった。 タイ的近代化は「王権」「タイ化(タイ語・仏教)」に価値を置き、結局現代で重視されてるのはカネ・コネ・チカラ2025/10/12