出版社内容情報
世界で最も謎につつまれた政治指導者ポル・ポト。膨大な資料と多くの関係者へのインタビューをもとに、その素顔に迫った力作。カンボジアの悲劇のからくりが見えてきます。
第1章 始めに
第2章 「クメール族出身」 1928-1949年
ポル・ポトは誰か 宮廷とのつながり 1930年代のプノンペン
過去の重み 動き出す民族主義 コンポンチャムへ プノンペンに戻る
民主党のために活動する
第3章 共産主義者となる 1949-1963年
パリの一年目 カンボジアでの政治の動き 1950-1951年
左に向かう 共産主義者となる
第4章 さまざまな正体 1953-1963年
ベトミンに加わる ジュネーブ協定と1955年選挙 教員になる
党活動家 党に焦点を当てる カンボジアの党が形成される
トゥー・サムトーの死 僧侶や学生に話しかける
第5章 「クメール・ルージュ」 1963-1970年
ベトナムの人質 ベトナム訪問 中国訪問 戦術転換
サムロート蜂起 武装戦闘 1968-1970年
シアヌークが統制力を失う サロト・サル、北ベトナムへ旅行
第6章 権力を握る 1970-1976年
サロト・サル、帰国 民族民主革命 停戦から爆発へ
唯一の街の戦争 シアヌークがサロト・サルを訪問する
最終攻撃の準備 最終攻撃 サロト・
内容説明
カリスマ性、悪魔性、やさしさ…。最も謎につつまれた指導者の実像。
目次
「クメール族出身」
共産主義者となる
さまざまな正体
「クメール・ルージュ」
権力を握る
燎原の火
ばらばらになる
「祖父87」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ
53
当時のカンボジア人口700万人中170万人が無意味に、虐殺された事実。名前とこの笑顔は知っていたものの、ジェノサイドの内実を知りたくなって。筆者は20C半ば、タイ外交官勤務の後東南アジア史で教鞭をとる。インタビュー等77人分のテキストを分析し客観的な解明へ導いてくれる。エキセントリックな表現が無い分 静かな戦慄が。ポルポトは革命のための一時的コードのようなもの、本名はサル。後に兄第一号と変える。全章通じて繰り返し語られるのは芒・・姿が無い。伝わるのは「優しい面立ちと穏健な人格」若い頃「キリングフィールド」2021/08/30
Arte
2
比較的裕福な家の生まれで、フランスで共産主義者になって帰国、ベトナム共産党と敵対するアメリカ側(含日本)の援助を受けて政権維持、ということだけは知っていたが、とにかく目立たないことが大好きで、カンボジア共産党の代表であることも長年知られておらず、金日成より謎と言われていて、実は政権取るまでは、ベトナムの共産党に援助されて、カンボジアの奥地に7、8年潜伏していたとか、ユーゴで垣間見たチトー主義や中国で見た文化大革命に感動(して同じことをしようとした)とか、2017/07/18