内容説明
本書は、組織コントロールの仕組みとしての予算管理にたいする基本視角―予算管理は、企業全体の総合的利益目標を組織全体に浸透させ、各下位組織の活動をその方向に総合調整し、その実現に向かって協働させる管理機構である。したがって、かならずや予算は責任予算としてあらわれ、その割り当てられた責任を実現するため、予算執行・統制への協力や予算意識の昂揚とその限りでの人間的要素への配慮、人間性の尊重が強調されることになる。人間行動を研究対象とする行動科学が予算管理論と結びつく接点がここにある―の延長上の研究成果をまとめたものである。
目次
第1部 行動的予算管理研究の先駆的系譜(初期予算管理論における人間要素への着目―J.P.Jordanの予算管理論(1927)
人間関係論によるスタッフ批判―F.J.Roethlisbergerらの所説(1939、1941)をめぐって
コントロール・システムの人間問題―J.D.Glover&F.J.Roethlisberger(1949)をめぐって
Chris Argyrisの企業予算批判―実態調査『人間にたいする予算の影響』(1952) ほか)
第2部 行動的予算管理研究の展開(参加型予算管理の行動的研究;予算管理の社会心理学的研究;モチベーションのための統制予算―A.C.Stedry(1960)の統制予算論をめぐって
予算管理過程の影響機能―伊丹(1986)のマネジメント・コントロール理論によせて ほか)
著者等紹介
内田昌利[ウチダマサトシ]
1944年東京都生まれ。1966年明治大学商学部卒業。1972年明治大学大学院商学研究科博士課程修了。1985‐86年シドニー大学客員研究員。現在、北海学園大学経済学部教授、明治大学博士(商学)
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