内容説明
昭和恐慌・日中戦争・太平洋戦争・連合軍占領時下、日本・中国・イギリスを渡り歩き、その天運と才覚の赴くまま壮絶かつ知的に生き抜いた石田達夫。信州安曇野で晩年の石田と運命的に出遇った著者は、その人柄と数奇な人生に魅了され、約十年の歳月を重ね本人の証言と取材資料から彼の生涯を伝記的小説として上梓した。石田達夫という奇人の人生を通じた昭和期の驚嘆すべき側面史や裏面史として後世に読み継がれるべき一書。
著者等紹介
本田成親[ホンダシゲチカ]
1942年、横浜に生まれ鹿児島で育つ。大学での研究生活を経て文筆家となる。1997年「佐分利谷の奇遇」で第2回奥の細道文学賞受賞。評論、紀行、随筆、詩、短歌、ノンフィクション、小説とその仕事の範囲は多岐にわたり、執筆対象領域も数理科学分野から文芸・文学分野にまで及ぶ
渡辺淳[ワタナベスナオ]
1931年生まれ。画家。福井県大飯町で育ち、炭焼きや郵便配達の仕事のかたわら創作活動に勤しむ。1967年「炭窯と蛾」で日展初入選、その後も入選を重ねる。長年親交のあった同郷の作家、水上勉氏の信頼は厚く、装丁や挿画を手掛けた水上文学作品の数は70冊以上に及ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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