内容説明
本書は、NHK「プロフェッショナル」など、多数のメディアでその活躍が紹介される左官:挾土秀平氏が書き温めてきた想像のものがたり「Essais,premiers pas エセー、最初の一歩」と名付けられた写真詩集三部作の中の一冊。Essaisはエセー、エッセイの語源でもあるが、フランス語では、「こころみ る」「トライヤル」の意味を持つ。挾土秀平が挑戦する(こころみる)世界。自身の仕事の定義、アートでもなく、職人である事も乗り越えて…それ(新しい概念)を目指す。Essais,premiers pas エセーの第一歩として 「第一となる数歩」。心象風景の一つ一つを、泡立つ「粒」のような言葉として語り、その一粒一粒が数珠(じゅず)となり、色彩と光のものがたりがつづられる。配された写真は、著者が視た心象風景を自らが再現したものである。身動きが取れなくなってしまった時代の閉塞感、あるいは一人の人間の辿る成長と葛藤のプロセスを、さらには今、自然界で起きている取り返しのつかないことへの警鐘を…。現代に生きる我々が、「何かはわからないが目の前まで来ている」と感じ取っている恐怖心・危機感に共鳴する一冊。
著者等紹介
挾土秀平[ハサドシュウヘイ]
1962年岐阜県高山市生まれ。1983年技能五輪全国大会左官部門で優勝。1984年同世界大会出場。2001年現在、14人を率いる「職人社秀平組」を設立。普段は、近代的な建設物や個人住宅の壁塗りを行う傍ら、日本の伝統な土蔵から茶室等を行う。東京の一流ホテルのエントランスロビーまで、天然の土と素材を使った独自の世界の塗り壁づくりは、モダンかつ斬新で、他に類がなく日本全国に活躍の場を広げている。また、左官職人にこだわらない新しい手法を試み、自然に還るものだけを使った空間や作品を、数多く発表し、画廊、ギャラリーによる個展活動も含め、幅広い活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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