内容説明
本書は、宇都木章氏の遺稿集である。著者は、周代、西周期から春秋・戦国期に至る礼制を中心とする『左伝』や『史記』など古典の考証、後には同時期の出土文字資料に取り組んで来た。本書は、いずれも礼制にかかわる宗族制度と邑制度、『史記』の思想と立場、周代を中心とする『史記』の本紀や世家の王・侯の系図、同期の貴族政治、『周礼』における社、『礼記』における郊祀、『左伝』に見える〓(きょ)国や〓国などを追究し、同時期の出土文字資料に及ぶ。いずれも、中国古典を素材とした緻密な考証論文であり、基本的文献である。
目次
第1部 古代貴族社会(宗族制と邑制;『史記』の思想史論への反省;西周諸侯系図試論―春秋・戦国諸侯系図より見た ほか)
第2部 西周礼論(「社に戮す」ことについて―『周礼』の社の制度に関する一考察;『礼記』の郊祀についての憶説)
第3部 出土遺物から見た古代の中国(中山王墓の発掘報告―特にその青銅器銘文中の燕王〓(かい)物語について
春秋時代の〓(きょ)国墓とその鐘銘―〓(きょ)魯交争始末
斉の桓公の即位と〓(きょ)国 ほか)
著者等紹介
宇都木章[ウツギアキラ]
1925年鎌倉市に生まれる。1949年東京大学文学部東洋史学科卒業。1954年国立国会図書館支部東洋文庫勤務。1967年同退職。同年青山学院大学文学部助教授。1969年同教授。1994年同退職。2007年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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