内容説明
大正時代は明治と昭和に挟まれた中間の時代と呼ばれるが、それは単なる過渡的中間性ではなく、「能動的中間性」である。著者は、本書第一部に、この中間の時代を象徴する吉野作造の民本主義の盛衰を中心に、憲政擁護運動から、政党政治、教養主義、社会主義、ナショナリズムなどを経て、震災に至る政治思想を描き、第二部に、大正時代の群像からその代表として大杉栄を取り上げ、その生い立ちから、その時代における軌跡を辿り、震災時に虐殺されるまでの数奇な生涯を、思想史的伝記として描いている。いずれも社会心理学的方法と緻密な実証による基本文献である。
目次
第1部 大正期の政治思想
第2部 大杉栄―「個人主義的・組合主義的・無政府主義」とその周辺(思想者へ;世界獲得の努力と「生の哲学」;「政治」の否定その一―民本主義と;「政治」の否定その二―ボルシェヴィズムと;個人史と思想)
著者等紹介
竹山護夫[タケヤマモリオ]
1943年東京に生まれる。1965年京都大学文学部史学科卒業。1967年東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。1970年同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。同年山梨大学教育学部講師。1975年同大学教育学部助教授。1987年同大学教育学部教授。同年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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