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出版社内容情報
どうか皆さん、小さなままで。
温暖化後の未来を描いた「utopia」で
話題を呼んだ作家・夕暮宇宙船 初の短編集。
表題作「水の定規」を含む、計4作品を収録。
著者の漫画の師である、齋藤なずな氏による解説付きです。
わたしが経験していない、わたしのものじゃない記憶のはずなのに、
こんなにもわかるし、優しい棘になって突き刺さる。
抜けないし、抜きたくない。(小説家・歌人 加藤千恵)
【目次】
#1 ビニールハウス p.5
#2 水の定規 p.37
#3 黒い犬 p.131
#4 I Heard You Looking p.171
解説 齋藤なずな p.220
あとがき p.222
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
133
なんでこんな思いをしなければならないんだ。この状況下に追い込まれた原因が大人の事情というのがいたたまれない。子どもたちは感情表現が豊かなようで、本当の気持ちを伝えられていない。そんな言葉を思い出す。子ども同士であってもときに痛々しいのに。状況を変えることはすべてをリセットするわけではないけどそう思えない。離れても大切な人とはきっとつながっているのだけど。本題の「水の定規」は印象深い作品だった。夕暮宇宙船さんがこの世界に描き出す漫画は、こころに刻まれてしまった一つひとつの傷や救いを、雨や風の香りで蘇らせる。2026/09/03
s_s
8
優しくも繊細で、それでいて忘れてしまいたくないような作品を多く収録した短編集。柔らかい光や心地良い風、季節の移ろいを感じさせるその匂いまで伝わって来そうな雰囲気と、言葉で表現しがたい幼少期の純粋な関係性を描き切った表題作は言うまでもなく良かった。「水の定規」という何故だか耳に残る言葉の響きも秀逸で、そもそも目の付け所がすごいなと。表題作ばかり絶賛してしまったが、光の加減や、特に暗闇に目が慣れてくる様子を鮮明に描いた「黒い犬」の、後々湧き上がってくる悲壮感の表現も素晴らしかった。今後の活躍にも期待したい。2026/09/12
たけのこ
5
さすがおもしろかったです。 ひと言でいえば「共感」でしょうか。誰かと感覚を共有すること、その気持ちを分かち合うこと。そんなものを描きたいと強く感じさせる短編たちだったのではないでしょうか。 あと巻末に「制作に協力してくれた曲」とか「映画」とかがあるんですけど、これがまたいい。 どれもこの短編集にピッタリなアンビエントな空気をもった曲ばかりで、BGMにこれを流しながら読んでもらえると、めちゃくちゃいい時間をすごすことができるんじゃないかと思います。2026/09/15
遠い日
4
見ても見ても見飽きない景色。小さな定規の中にある世界。手の中の夢。静かに語られる物語はまるで散文詩のようだ。ことばにできない思いの丈を鮮やかに映す。ことばとして語られないからといって、ないことにはできない胸奥の熱がわたしを捕える。2026/09/23
mujha
3
同じ心人がいると嬉しいよね、泣いちゃうほど嬉しいって事を思い出した。「んく んく 」って擬音をはじめて見たのだけど、自分の喉にも水が入ってくるような生々しい音で感動した。2026/10/02




