出版社内容情報
半径5m。言葉がもたらす小さな奇跡の連鎖。
カツセマサヒコが贈る、極上ショートストーリー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「しんどい人生の中にある『捨てたもんじゃない』と思える瞬間」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなたの人生を振り返ったとき「人生捨てたもんじゃないなぁ」と感じた瞬間は、
いつ、誰に、どんな言葉をかけられたとき?
何気なく耳を傾けていたラジオから、そんな呼びかけがあったとしたら……
本書は、まるでラジオに投稿された十人十色のエピソードを紹介するように、
ありふれた日常に起こる小さな奇跡の瞬間を切り取り、
家族、友人、パートナー、同僚、コンビニ店員、タクシードライバー、SNS投稿者……
心が沈んだあの瞬間を救い出してくれた誰かの「言葉」を主役にした
全34編、全員が主人公の連鎖する物語。
内容説明
半径5m。「言葉」がもたらす小さな奇跡。雑誌anan人気連載、極上ショートストーリー待望の書籍化。
著者等紹介
カツセマサヒコ[カツセマサヒコ]
1986年、東京都生まれ。Webライターとして活動しながら2020年『明け方の若者たち』(幻冬舎)で小説家デビュー。ラジオTOKYOFM「NIGHT DIVER」(毎週木曜28時~)ではメインパーソナリティも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sayuri
33
登場人物がリレー形式で繋がっていく34編収録のショートストーリー集。一話の前、序文の二頁だけでちょっと泣きそうになった。カツセさんの言葉が心の奥深いところへとスッと入り込んで来る。各話の登場人物は私達のすぐ隣にいそうな人達ばかり。笑って泣いて、後悔して、また前を向いて。何気ない日常だけど、かけがえのない日常だと気付かせてくれる。物語全体に寂寥感が漂うが、それがなんだか心地良くて、波間に揺蕩っている感覚で肩の力を抜いてページを捲った。傷を抱えた人に、そっと雨傘を差し掛ける事が出来るような人になれればと思う。2025/02/11
akiᵕ̈
28
一話読み終えるごとに前話の人物が繋がっていて、そこに新たな人間模様が繰り広げられていく展開に、読み進めていくごとにワクワクした。視点が変われば受け取り方が違う残酷さもあるし、何気にその人の力になっていることもある。色んな人との繋がりがあって、それぞれに頑張っている日常があって、へこんだり傷ついたり癒されたり前を向いていく力が沸いたり。こんな風に多面的に描かれた日常が色んな感情を呼び起こしてくれ、なんだか、ヨシ!と思えた。2025/01/23
桜もち 太郎
26
34連作ということは、主人公が34人いるということ。だから一つの物語はけして孤独ではない。当たり前だけど物語の数だけ人生があり、地球に住む全ての人にも、自分にも尊くなければならない人生が必要、と何となく感じた。すべての作品にキラリと光る指針があるところがミソかな。「みんな傷ついていたら、その傷に、それぞれの傘があればいい」、自分にとって守ってくれる傘って何だろう。よくわからないし他力本願かな。「ひとりでいた時間の長さって、人としての魅力の深さに比例するじゃん」、そうだとありがたいのにね。癒やしの一冊。2025/02/23
よしぱん
23
★4 各話6ページ前後×34編のショートショート集、少しずつ繋がっている連作形式にて。飲んでるOL2人組→その居酒屋のバイト君→バイト君のSNS投稿を見る女性・・てな感じで、34人のちょっとした人生のひとコマが続いていく。ショートショートだとなかなか印象に残らなかったり「まあまあだねー」で終わりがちだけど、この形だと読み応えもあったな。内容的にはちょっといいフレーズ・格言集みたいな風味もあって、このスカし具合を許容できれば楽しめるのではないかな。2025/04/23
ゆき姫
5
Xで流れてきて気になったから購入。 1話1話、どこにでもある話しなんだけど、すごくほっこりしていい。主人公は、いつだって自分。傷ついても前向きに生きていければ最高。2025/03/11