出版社内容情報
予備軍を加え、認知症800万人の時代。
認知症になったらどうしようと不安に思っているあなた、
認知症と診断されたあなた、
認知症の家族、友人、知人、介護職のあなたへ。
「ボケたら終り」ではなく「ボケてもいい」と楽しく暮らすために。
幸せな認知症に至る、一歩先の道しるべ。
最初の一歩は、認知症のことをきちんと知ることから。
予備軍を加え、認知症800万人の時代。
認知症になったら困ると不安に思う人が増え、
認知症の人を抱える家族はこの先どうなるのかと
恐れを抱いているかもしれません。
そんなふうに認知症をことさら不安や恐怖の対象にし、
治療法を追求しようとする限り、そこに希望はありません。
なぜなら、認知症は今のところ根治治療がないからです。
治らない病気であり、誰がいつかかってもおかしくありません。
一部の認知症を除けば、根本的な原因も不明、
遺伝的要因があるかどうかも定かではないのです。
認知症になったらどうしようと不安に思っているあなた、
認知症と診断されたあなた、
認知症の人の家族、友人、知人、介護職のあなたへ。
「ボケたら終り」ではなく「ボケてもいい」と楽しく暮らすために。
幸せな認知症に至る、一歩先の道しるべ。
最初の一歩は、認知症のことをきちんと知ることからです。
認知症は、本人も家族も周りにいる人も、
接し方や対応の仕方で、不幸にも幸せにもなれます。
はじめに
第1章
認知症になったらどうしようと
不安に思っているあなたへ。
認知症は治らない脳の病気です。
だからといって、無闇に恐れることはありません。
まずはどんな病気なのか、きちんと知ることから始めませんか。
たとえば「高齢者が長期入院すると認知症になる」
というのは正しくありません。
遺伝的な要因があるかどうかも、まだわかっていません。
認知症の約7割はアルツハイマー病です。
脳が変質してしまう病気ですが、原因は今のところ不明。
残念ながら防ぎようがなく、対策を立てるのも難しく、
いつ、誰がなってもおかしくありません。
だからこそ、受け入れる気持ちを持つほうがいいのです。
家族の顔を見てもわからない、どこにいるのかわからない、
徘徊をする、というのは認知症でも重度の人の症状です。
最初の兆候から周囲の人がおかしいなと感じるまでに
普通は半年から1年くらい。
そこから重度になるまでに10年から15年かかります。
とてもゆっくり進行するのです。
すぐに何もわからなくなる、なんてありません。
認知症を診断するツールのひとつである
改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、
年齢や簡単な計算、野菜の名前などを尋ねる
とても簡単なテストです。私は基本的に
30点満点で27点未満だと認知症の可能性を疑います。
認知症初期の軽度から中等度、重度へ、
どのように症状が変わっていくのか
知っておきましょう。
病気についての多くの知識を得ることは、
無用な不安感や恐怖心を少なくするのに役立ちます。
ボケたら困る、ボケないようにしよう、と思っていますか?
ボケたっていいではないですか。
認知症は早期発見で治る病気でもなく、予防もできません。
90歳になれば6割は認知症です。
だったら病気を恐れず、
それまで楽しく暮らすほうがいいのではないでしょうか。
認知症は病気なのか、自然な老化現象なのか?
私はどちらの視点も必要だと考えています。
医学研究の場では克服すべき病気と考えても、
診療やケアの現場では認知症患者を??困った人?≠ノせず、
受け入れ、助けていくことが大事なのです。
食べものやアロマセラピー、
運動などで認知症を予防しようという
テレビ番組や雑誌の特集を見かけます。
脳を健康にしようという試みは悪くありませんが、
残念ながら、認知症の予防になる保証はありません。
認知症かもしれないとご自分で疑いを抱いたら、
まずは認知症を診てくれる病院を探してください。
どの医師に診てもらうか、
その選択権はあなたにあります。
納得がいかなければ病院を変えてもいいのです。
一人暮らしだから認知症になっても
誰にも気づいてもらえないと不安に思う人もいるでしょう。
でも、大丈夫。周囲が何かおかしいと感じるはずです。
もし認知症と診断されたら介護保険の手続きをしてください。
地域にサポートしてくれる人を作るのです。
第2章
認知症と診断されたあなたへ
認知症軽度と診断された
あなたの脳は95%正常です。
感情面もその場の理解力も問題はありません。
人ときちんと話すこともできますね。
そんなあなたに無理解な人がいたら
怒りたくなるでしょう。その気持ちは十分にわかります。
いつも心の中では家族にたくさん感謝しているのに、
素直にそう言えないのは、ご家族の対応も関係しますよね。
もっと尊敬の念を持ってくれたら、やさしく接してくれたら、
「ありがとう、いつも世話になっているね」と
あなたは言いたいのではないでしょうか。
打ち込める趣味や楽しみ、
ときめく気持ちになるような人がいたら、
ずっと手放さずにいてください。
これからのあなたの人生を豊かにし、
あたなを輝かせる大切なこと、大切な人だからです。
デイサービスに行きなさいと言われて
いやだなーと思ったことがありますか?
家族に追い出されるように感じたからでしょうか?
一度だけでもいいので行ってみてください。
あなたが来ると喜ぶ人がきっといます。
若年性アルツハイマーの方が
これからのことについて書いたものがあります。
そのなかで認知症の高齢者の方に
おすすめできるものを見つけました。
できる範囲で試してみるのもいいかもしれません。
第3章
認知症のご家族、友人、知人、
介護職のあなたへ
「あなたは認知症です」と
高齢者にアルツハイマー病の
告知をすることに意味はないと考えています。
だから私は本人に告知をしません。
これからの生活を楽しくすることのほうが大事なのです。
家族や友人が認知症と診断されたとき、
対応の鉄則が3つあります。
「指摘しない、議論しない、怒らない」
あなたの生活をこれまでと少し変える気持ちで
ご本人を見守ってあげてほしいのです。
軽度から中等度が続く10年をどう生きるか、
真剣に考えて行動する認知症患者もいます。
内容説明
幸せな認知症に至る、一歩先の道しるべ。最初の一歩は、認知症のことをきちんと知ることから。認知症は、本人も家族も周りにいる人も、接し方や対応の仕方で、不幸にも幸せにもなれます。「ボケたら終り」ではなく「ボケてもいい」と楽しく暮らすために。
目次
第1章 認知症になったらどうしようと不安に思っているあなたへ
第2章 認知症と診断されたあなたへ
第3章 認知症のご家族、友人、知人、介護職のあなたへ
著者等紹介
上田諭[ウエダサトシ]
京都府生まれ。関西学院大学社会学部卒業。新聞社勤務(記者)。1990年、新聞社を退社し、北海道大学医学部入学。1996年に卒業後、東京医科歯科大学附属病院神経科精神科、東京都多摩老人医療センター(現・多摩北部医療センター)内科および精神科、東京武蔵野病院精神科、東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)精神科に勤務。2007年、米国デューク大学メディカルセンターで電気けいれん療法(ECT)の研修を修了。同年、日本医科大学(東京都文京区)精神神経科助教、2011年より講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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