内容説明
虐待されるのは、私が悪いから?母親から虐待され続けていても、愛される子にならねばという呪縛…少女の明日は“絶縁”だけにあった。今もどこかで起きている悲劇!被虐者たちへの感動と救いの実話。
目次
第1章 人付き合いの苦手な母
第2章 誰といてもひとりぼっち
第3章 迷惑をかけなければいいの?
第4章 社会と向き合えない
第5章 “教師”にさえなれば
第6章 振り切れない“母”という悪夢
第7章 “絶縁”という希望
著者等紹介
中井宏美[ナカイヒロミ]
1980年生まれ。大学卒業後、公務員になる。その後、一般企業に転職し、現在はフリーライター。母親から、自殺を勧められたり、みみず腫れができるほど叩かれたりするなど、精神的・肉体的虐待を受けながら育つ。紆余曲折の後、両親と絶縁状態に至り初めて“幸せ”という感覚を味わう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころりんぱ
30
刑務所に務める父と児童養護施設で働く母の長女として1980年に生まれる。年子の妹と弟2人。酷い虐待を受けながら育ち大学進学を期に家を出て、その後母親と決別するまでの手記。彼女は虐待を生き抜いたサバイバー。母親から浴びせられる罵詈雑言、理不尽な暴力は明らかに常軌を逸しているが、彼女はそれでも母に愛されたいと願い、なぜ愛してもらえないのかと自分の落ち度を探し、どうしたら愛してもらえるかだけを考えて生きてきた。家族との関わり全てが彼女の人格形成に影を落とし、離別する事でしか救われなかった彼女のメッセージは重い。2013/11/16
風里
8
共感する部分がありすぎる。 あれは虐待だったのかと今更ながらに思うが認めたくない自分がいる。 幸せに育った人には理解の出来ない現実が自分の内にもあるのだと気付かされたことは、とても辛い。2012/06/14
7a
7
「母がしんどい」の母親とは別種だがこの母親もおかしい。但し根底にある「自分だけが正しい」という意識は同じ。人を傷つけてはいけない(我が子であろうが)という当たり前のことがなぜわからない?それとも自分が何をしているかわかっていないのか。終盤の母の手紙は自己保身のようだけど、本当にそう思っているのではないか。ここまで精神的に母に蝕まれているのに、一冊の本と一葉の手紙で救われるとは信じがたい。結婚相手に対しても文面から愛情は感じられず「真っ当な世界に引き上げてくれる人」としか見ていないようで著者の闇深さを感じる2019/07/09
るき
6
子どもはどれほど親に苦しめられていても親に愛を求めるものなのだと、この手の本を読むたびに苦しくなる。著者も書いたことが一つの救いになっていればよいなと思う。「毒になる親 一生苦しむ子供」 スーザン・フォワード著(講談社プラスアルファ文庫)と一緒に読んでほしい。2011/12/26
いのお
6
なんかすごい話を読んでしまった。簡単に感想が出ない。読んでて苦しいのだが読むのをやめられない。そんな体験記。親に愛されなかった子供の心の傷が大人になって虐待から逃れた後もいかに日常の思考を蝕んでいくかがわかってキツかった。巻末で著者は虐待を受ける子供たちに親から逃げろというアドバイスを贈っているが、結局著者自信それができなかったわけで、その事実がまた心を塞ぐ。2011/08/27