内容説明
『船に乗れ!』の著者が明かす、おじいさま、ハイドン、盗まれたあのチェロのこと。書き下ろし自伝的音楽エッセイ。
目次
1 ハイドンのレコードから
2 ヴェーゼンドルファーのグランドピアノ
3 チェロに関する乱雑な回想
4 モーツァルト―チェロのために書かなかった男
5 コメディからオペラ、オペラから小説へ
6 僕の小説と音楽
7 チェロを盗まれた話
8 音楽と今の自分
9 一枚のCDへ―あとがきにかえて
著者等紹介
藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京都生まれ。洗足学園高校音楽科、日本大学藝術学部映画学科卒業。2003年、『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』でデビュー。2008年、『いつか棺桶はやってくる』が第21回三島由紀夫賞候補に、2010年には『船に乗れ!』が第7回本屋大賞候補となる。作家活動のかたわら、東京・下北沢で書店「フィクショネス」を経営している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よむよむ
44
『船に乗れ!』のサトルの境遇ってほとんど藤谷さんご自身のことだったのですね!そりゃあ臨場感たっぷりなワケだ~ あの小林秀雄氏をバッサバサにメッタ斬りの痛快?さ、ハイドンやモーツァルトへの愛、小澤氏への熱いリスペクト。大変な事件にも遭われて・・・ 聴きたい曲の洪水でメモしまくりでした。また音楽感たっぷりの作品を期待したいです。2012/02/25
pom
18
『船に乗れ!』藤谷さんのエッセイ。藤谷さんは幼少時からクラッシック音楽に囲まれて暮らして来られたのですね。このエッセイの前半は音楽に対する藤谷さんの思いなどが綴られています。知っている曲の話が出て来ると楽しく、あまり知らない曲のことでも「なるほどなー」と感心しながら読めました。後半は仕事や小説を書き始めた頃の事が書かれていて、苦労された時代から小説家デビューのきっかけなど興味深かったです。「チェロを盗まれた話」は親切の難しさや、心配してくれた多くの人達のやさしさなどが伝わって来ました。無事で良かったです。2012/10/28
くりきんとん99
12
著者が音楽にどっぷりつかっていたんだとよくわかるエッセイ。「ヌれ手にアワ」と「船に乗れ!」しか読んでいないけど、そのテンションの違いの理由もよくわかった。チェロ盗まれてたの!?クラシック好きにおすすめのエッセイですね。私にはちょっと難しかった。2011/04/09
はる
11
2011年本屋大賞にノミネートされた「船に乗れ!」が素晴らしかったので、裏話などを読めればと著者のエッセイを読んでみた。読者の偏った?クラシックやチェロへの想いが読みとれた。クラシックコンサートなんかにも足を運んでみようかな~と思いました。でもピアノやクラシックに無縁だったものにとっては「音楽ってむずかしい!」って感じもしたなぁ~。2012/08/24
akira
10
クラシック音楽の素養がなくってとくに前半はついていけなかったが小説家になってからのことを語っている部分はどこか熱くてとてもよかった。チェロが盗まれ、戻ってきた経緯はそういうことだったんですね。2013/04/23