内容説明
男と女。2人をつなぐものは、愛の言葉と月の満ち欠けだった。彼女のアドレスに残された81通のラブレター。これは僕が2年間にわたって書いたラブレターである。相手はどこかに実在する女性。Eメールで送り、また送らなかった手紙もある。日付も、時間も、手紙も、これは現実のものだ。
著者等紹介
豊川悦司[トヨカワエツシ]
1962年3月18日大阪府生まれ。俳優業のほか脚本演出も手掛ける
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感想・レビュー
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masa@レビューお休み中
88
愛することを勇敢に、果敢に挑めるものがどれだけいるだろうか。どんなに美しい人でも、どんなに心がキレイな人でも、愛することに臆病になったり、愛されることを恐れることがある。ここにあるのは主人公である男性が書いたラブレターである。同じメールアドレスに送信された81通の愛の言葉たちが嘘いつわりなく並べられている。饒舌に愛を語ってみたり、必死に愛を伝えようとしたり、絶望の壁を愛をもって乗り越えようとしたり…。愛することも愛されることも何のために存在しているのか。愛には、はじまりと終わりがあることを痛感させられる。2016/08/01
くらげ@
9
(☆☆☆)豊川悦司さんの小説。読み始めたときは小説とは思えず、本当の恋文を見てしまった気まずさを感じ、その後は本当に特定の誰かに宛てたものなのではないかと気になって仕方ありませんでした。人を愛し、その思いを伝えることは第三者にとって時にその言葉のきれいさを滑稽にも感じてしまう。でもそれは第三者だからであって、当事者であったら、想っていることを同じように伝えることの難しさ、言葉の限界にもどかしさを感じるのであろう。最後の方に時間の間隔があいていくこと、そしてその内容にせつなくなりました。2016/08/13
ひお
9
彼女が携帯をもっていたら彼女のアドレスを知っていればボクも伝えたい。「あなたの声が聞きたい」と「あなたに一目でいいから会いたい」と読んでて切なくなった。ボクの恋はいつもアダ花。実をなすことはついぞ叶わず…。2010/07/27
tomoe
4
或る女性に向けて綴った81通のメールで構成されている。恋する気持ちをうたった詩集の様にも思えた。見たり聴いたりして感じた事を相手に伝えて共有したいという気持ちがよく解る。最後のページを読み終えて本を閉じた時、夜空を見上げて大好きなひとにメールを送りたくなった。2010/03/13
toshi
3
自分とダブらせて悶えてしまった(笑)2008/11/25