内容説明
妻にして愛人、官能的な継母。非現実、幻想、追憶と欲望の女性。美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチート。ラテンアメリカ文学の巨匠が描く巧緻を極めたエロティックな物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
106
「継母礼讃」の続編という事で読みました。現実と夢想を行き来する目くるめく官能の世界は、窒息しそうな程に濃密でした。もうお腹いっぱいです。エゴン・シーレに心酔する継子のアルフォンソ、彼の父であり妻を崇拝するドン・リゴベルト、継母である美しいルクレシア達の関係は既に家族の枠を超えてしまっていて、どんなに取り繕っても元に戻らない気がします。ドン・リゴベルトの妻への愛は偏愛症と名が付く程でちょっと気持ち悪い気も。本作で取り上げられているエゴン・シーレに興味がわいたので、後で画集などで作品を見てみたいです。2017/10/01
やいっち
60
内容案内によると、「美貌の人妻ルクレシア、至上の美を求める夫リゴベルト、そして聖なる少年フォンチートの三者がつくる世界を対位法的な構成で描く、巧緻を極めたエロティックな物語。「継母礼讃」の続編。」と。2023/03/29
ピエール
3
続編らしいのですが前作知らずに読みました。実に官能的な小説です。考えられる限りのエロティックなシチュエーションを、エゴンシーレの絵や逸話と絡めながら描写しています。特にパリのデートの記述部分と、母親とお手伝いさんが子供にエゴンシーレの絵のポーズをとらされる場面はぐっと来ました。パリのデートは、パリ市内のありきたりの観光と食事を羅列しているだけなのですが、何とも言いがたい情欲を掻き立てられます。エゴンシーレやパリを知らないとつまらないかも知れません。追記:なんとノーベル賞作家でした、道理で。2013/01/15
ミンガラ
1
あのコテコテの旅行をしてみたい。ニューヨーク、パリは解るがローマでもフィレンツエでもなくベネチアと言うのもエロい。巨匠の描くエロさは奥が深い。2016/03/06
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