内容説明
エロスと暴力で燃える女たちの世界。この愉快で、思いがけない、セクシーな小説は、ロウアー・イーストサイドの商店や、アングラ・クラブや、レズビアンのサブ・カルチャーに案内してくれる。アメリカ図書連盟ゲイ&レズビアン書籍賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
渡邊利道
2
80年代後半のNYを舞台に、恋人に振られて落ち込んでいるレズのヒロインが一丁のピストルを手に入れ、知り合いのパンク娘が殺された事件の謎を追いながら街を彷徨う。雑なハードボイルド風犯罪風俗小説といった感じで、とにかく登場人物がみんなダメでクズでいい加減なことを喋り散らかしやけっぱちで先がなくてどうしようもないのだが、なんとも好きな小説で周期的に読み返してしまう。こういう小説はアメリカにはいっぱいあるんだそうで、もっと翻訳されればいいのになあ。2019/08/11
azimuth
1
ミステリを書きたいのかおされな小品にとどめたいのかちょっと文学に踏み出そうとしてるのか本人もわかってないんじゃないか。どれかに絞っていたら、もっと面白かったろうに。「ブライト・ライツ・ビッグ・シティ」に話し運びが似ていて、ニューヨークって街はそういうイメージがあるのかなと思う。かつての恋人を忘れようと延々と彷徨うなら、シカゴでもロスでもボストンでもなく、ニューヨークでなくてはいけないのかも。2012/10/31