内容説明
中世後期(室町期)以後の文献資料にもとづく日本語アクセント史の研究論文、講演録など12編を収める。あつかう文献資料は、論議書・平曲譜本・語学書・仮名遣書におよび、ほかに文献アクセント史研究の要点を述べた論文1編を添える。論議書に付された節博士や平曲譜本の声譜から過去の京都アクセントの様相をあきらかにし、さらに契沖・文雄・宣長など、近世の四声観・アクセント観を追究する論文集。これまでのアクセント史研究を見なおす一書である。
目次
文献アクセント史研究の要点
開合名目抄と名目開合抄
補忘記の貞享版と元禄版
補忘記に載る漢語句の音調
論議書に見える「出合」の資料性
平曲のことばと日本語史(講演録)
譜本としての『平家正節』―“日本語アクセント史”からの提言(シンポジウム記録)
『平家正節』にみえる漢語サ変動詞のアクセント
平曲譜による助動詞の独立性の検証
契沖の仮名遣書と定家仮名遣
文雄のアクセント表記
本居宣長の四声認識
近世四声論拾遺
著者等紹介
上野和昭[ウエノカズアキ]
早稲田大学第一文学部卒業、同大学院博士後期課程単位取得満期退学、博士(文学)。専門は日本語音韻史・アクセント史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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