内容説明
現存『紫式部日記』は、父藤原為時の第一の読み手とし、娘紫式部によって記された「家の記」としての「仮名日記」に基づき、内省的記述を付加して作成された「別記」群の不完全な集成である(第一章)。本書は、この想定に至る著者積年の論考を一書にまとめたものであり、混迷を極める本作品成立過程(形態)論に一筋の光明をもたらす雄編としてここに提示する。
目次
本編(『紫式部日記』の成立;『紫式部日記』の諸相;紫式部の影像)
付編(『伊勢物語』初段に関する三つの問題;『古今和歌集』六一六番歌と『伊勢物語』第二段歌の再検討―同一異相の和歌をめぐって;父に早逝されて零落した姫君たち―空蝉・夕顔・末摘花)
著者等紹介
久保朝孝[クボトモタカ]
仙台市に生まれる。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了。早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程(3年間在籍)退学。愛知淑徳短期大学を経て、愛知淑徳大学文学部教授(大学院文化創造研究科兼担)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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