内容説明
『うつほ物語』「国譲」巻「らしさ」とは何か?前半「本文鑑賞編」で、『うつほ物語』「国譲」巻を読むために読んでおきたい場面を紹介。場面の選定は「国譲」巻への繋がりを意識して、それぞれの場面には簡単なリード文を附し、読みやすくなるような現代語訳をつけた。また、各文の最後には『うつほ物語』読解のポイントを「鑑賞・説明」としてまとめたので、それぞれの場面を読む際の参考となろう。後半「論文編」では編著者をはじめ、ともに学んだ若手研究者の論文計七編を収録、日頃の研鑽の成果を公刊する。
目次
本文鑑賞編(「俊蔭」(1)太政大臣(藤原氏)の賀茂詣で
「俊蔭」(2)兄弟の契り
「藤原の君」(1)源正頼の登場
「藤原の君」(2)あて宮求婚譚の始まり
「忠こそ」橘家の帯、一条北の方の策略 ほか)
論文編(「国譲」巻論、過去と記憶の再生産;「国譲」巻における「うつほ」―閉じられた空間と、動き出す過去;「祭の使」巻と「国譲・上」巻の重なりについて―長編化への構造的変遷の方法;立坊争いと夫婦関係―忠雅夫妻の挿話における二層構造の「語り」;后の宮、「悪女」という造形の偽装 ほか)