内容説明
郭沫若に関する研究は、中国においてすでに半世紀にわたり続けられてきた。これまでの研究は、基本的に愛国主義、五四精神、マルクス主義といった思想理論に基づいている傾向が強く、資料、史実の調査、文学理論に基づくテクストの評価は必ずしも十分とは言えない。特に、郭沫若が日本と関わった二つの時期に関する研究は、まだ多くの空白を残している。本書「詩人郭沫若と日本」では、彼の留学と亡命の二つの時期に焦点を当て、彼と近代日本との精神面での交流を明らかにしていくことを目的とする。
目次
第1章 少年時代
第2章 日本留学時代
第3章 古典文学の素養と古典詩創作
第4章 『女神』の世界
第5章 小説創作の試み
第6章 日本へ亡命
第7章 亡命期の作品
第8章 日本―第二の故郷
著者等紹介
藤田梨那[フジタリナ]
中国名、林叢。二松学舎大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程修了。博士(文学)。国士舘大学文学部教授。研究分野は比較文学、日本文学、中国文学。日本比較文学会、日本現代中国学会、日本郭沫若研究会(副会長)、国際郭沫若学会(会長)所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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