目次
『蜻蛉日記』女から贈る歌―『源氏物語』への階梯
『蜻蛉日記』下巻における養女迎えの時期について
道綱母と「高光日記絵巻」(扇流)―「高光日記」が望見できる資料は、『重之子僧集』か
追懐の方法―『和泉式部日記』の場合
『和泉式部日記』における和歌贈答の挫折
“演出”される源氏物語・“再生”する源氏物語―紫式部日記の中の“源氏物語”
『紫式部日記』に記された縁談―『源氏物語』への回路
『更級日記』孝標をめぐる風景―その大いなる「凡庸」について
迷走する孝標女―石山詣から初瀬詣へ
著者等紹介
福家俊幸[フクヤトシユキ]
早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。現職:早稲田大学教授
久下裕利[クゲヒロトシ]
本名・晴康。早稲田大学大学院博士後期課程満期退学。現職:昭和女子大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Ayako Moroi
1
平安時代の日記文学研究の論文が九本入っている。私自身、「平安時代においてこの表現はどう捉えられていたのか」ということを、当時の和歌や物語はもちろん公卿日記や歴史物語の記事から考えていくというスタンスで研究をしていることもあり、特に『蜻蛉日記』の養女迎えに関して、その養女を入内させる意図があったかどうかを当時の状況と照らし合わせて論じた川村裕子氏と、『更級日記』の筆者の父菅原孝標が国司としてどのような人物であったのかを論じた横井孝氏の、二論文を非常に興味深く拝読した。2015/02/20