内容説明
本書は、前著『謎のいろは歌』を脱稿した時点ではまだ着想段階であり書けなかった『古今和歌集』の撥音表記に関する重要な法則性について、延喜時代の言語遊戯という観点から、国語音韻史の立場に立って新たにまとめたものである。これは『古今和歌集』の中に秘められた、これまでに知られていない事実を明らかにするものであり、また、筆者の永年に亘る「いろは歌」研究の過程の中で、前著の中で書きそびれた論点を補うという意味において、画竜点睛の地位を占めるものでもある。
目次
第1章 撥音とは(橋本進吉の説;『和英語林集成』の説;『日葡辞書』の撥音表記)
第2章 『土左日記』の撥音表記(中田祝夫が取り上げた撥音;中田祝夫が取り上げなかった撥音;よむべ;語頭の鼻音)
第3章 『古今和歌集』の本文資料(高野切;元永本、筋切通切本、唐紙巻子本;清輔本;雅経本;定家本)
第4章 『古今和歌集』の撥音表記(かにはざくら;くたに、しをに、けにごし、ぜに;ほい、もじ、えぶ;をむな、をうな;むめ、うめ;りうたむの花、りうたうの花)
第5章 「いろは歌」と撥音(物部良名の言語遊戯;m、n混同の時代へ)
著者等紹介
光田慶一[ミツタケイイチ]
1959年10月23日、愛媛県に生まれる。1985年、愛媛大学大学院理学研究科修士課程を修了。1985年から1996年まで、日本電子株式会社のアプリケーション化学者を務めた。1993年から1995年まで、財団法人山形県テクノポリス財団生物ラジカル研究所の研究員を兼任。1997年2月以降、日本電子株式会社で特許出願の仕事に従事。日本化学会会員。東京都昭島市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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