目次
1 和歌と引歌・歌語表現の独自性(“父の離京”における贈答歌―和歌の齟齬と散文表現;上巻の道綱母長歌の構造―書陵部本を活かした読解から;鳴滝籠りの引歌表現群―下巻への転回点として;鳴滝籠り後の歌語表現の変化―帰宅時の「撫子」・「呉竹」と「つゆばかり」から)
2 作為的表現世界と「書く」こと(唐崎祓いの構造―仮構の明るさと独詠歌;上巻における「をば」―身内の喪失と関わって;鳴滝籠りにおける「をば」―守護的存在として;下巻冒頭部の兼家訪問記事について―「聞く」こと・「見る」こととつくられた時空;下巻における漢文的表現―兼家との関係の相対化へ;作為的表現の意義)
3 「書く」という語と作品形成(『蜻蛉日記』成立の基底―「書く」という語の分析から;『蜻蛉日記』と「とよかげ」―序文の「書く」に着目して;上巻前半部の成立考―章明親王からの贈歌をめぐって;私家集を内包する『蜻蛉日記』―和歌より二字下げ表記の存在;「巻末歌集」との連続性―書写形態を切り口に;『蜻蛉日記』における「書く」の入れ子構造―私家集との比較から;平安仮名文学の系譜試論―「書く/書かず」をめぐって)
著者等紹介
斎藤菜穂子[サイトウナホコ]
早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。早稲田大学大学院文学研究科士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、國學院大學・早稲田大学等の非常勤講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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