内容説明
鎌倉時代の言語は、国語史上の、いわゆる中世語の前半期に当り、日本語が古代語から近代語に移り変る過渡期の重要な位置にあるにも拘らず、その研究は、他の時代語の研究に比べて立ち遅れており、今後の開拓が大いに必要とされるところであった。本書では、当鎌倉時代語の資料の発掘、紹介、翻刻とその記述を重んじ、文献資料に沈潜し、研究上の諸問題や研究方法を記載している。
目次
「水尾点」を巡つて
形容詞「いか(厳)し」の消長―「いかめし」「いかめい」との関連から
『古事記』カガナベテ再考
「さざえ」考
子音韻尾の音仮名について
大東急記念文庫蔵続華厳経略疏刊定記巻第五の訓点について
明恵関係聞書類としての『観智記』鎌倉時代中期写本の基礎的研究
高山寺蔵「聖教目録禅浄房潅頂」に記載された聖教について―高山寺現存本と対比して
漢文文書に於ける助詞の仮名表記の変遷―「仁」の消滅と「江」の出現を中心として
漢語「不合」の語史について〔ほか〕
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- 和書
- 遊びをせんとや生れけむ