内容説明
中世期の本地垂迹思想から、文永・弘安の蒙古襲来を契機に反本地垂迹思想へと変貌し、神国日本の思潮の幕開けとなる。日本独自の民俗思潮が生み出した英雄像「百合若大臣」「甲賀三郎」「田村麻呂」民俗的イデオロギーを明らめる伝承歴史学という試み。
目次
第1編 「百合若大臣」の誕生(「百合若大臣」の原風景―宇佐八幡の鷹と鍛冶;日本の「百合若大臣」―幸若・説経・古浄瑠璃;「百合若大臣」の原拠を尋ねる;「百合若説経」(壱岐・対馬)の伝承世界
「百合若説経」と幸若・説経・古浄瑠璃―“宝競べ”~“忍び入り”をめぐって
「百合若大臣」の生成)
第2編 日本の英雄伝承―「百合若大臣」「甲賀三郎」「田村麻呂」(日本の語り物文芸―英雄叙事詩をめぐって;「百合若大臣」「甲賀三郎」の伝承世界;英雄伝承としての「田村三代」―馬飼文化と観音信仰)
第3編 聖徳太子の変貌(聖徳太子の兵法―文保本系「太子伝」をめぐって;聖徳太子流兵法の行方―「油日大明神縁起」をめぐって)
資料編 山口文庫「百合若大臣殿」(長崎歴史文化博物館蔵)
著者等紹介
福田晃[フクダアキラ]
昭和7年、福島県会津若松市に生れる。國學院大学文学部卒業、同大学院博士課程・日本文学専攻修了。立命館大学名誉教授。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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