内容説明
「願はくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」という言葉にまどわされてはならない。『遠野物語』に抱く牧歌的な世界は幻想に過ぎず。交易都市遠野という視点から『遠野物語』の時空を解体する。
目次
1 里と山(“異界”から遠野物語を読む―流動化する世界像;遠野物語の山の怪異―山の神・天狗・山男;トリックスターとしての狐―里山と里人の交流 ほか)
2 他界と異界(『遠野物語』が書かなかったこと―現実と共振する他界;『遠野物語』に描かれた「魂」;『遠野物語』と「水の女」)
3 異界と交易(『遠野物語』の鮭と狼、色々の鳥;奥州・白鳥織りの伝承;ウツロ船伝承と馬嬢婚姻譚―二つの絹文化の東伝 ほか)
著者等紹介
永藤靖[ナガフジヤスシ]
1941年、栃木県宇都宮市生まれ。博士(文学)。元明治大学文学部教授。専攻は日本古代文学および日本伝承文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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