内容説明
宮廷に生きた人々の感覚・感情・心理を反映し個性と真実が躍動する物語の本質に向き合う。
目次
源氏物語の成立と巻名
若紫巻を考える―陽明文庫本若紫巻を手がかりに
「処女塚」の女朧月夜―二人の男に挟まれ続けて
光源氏の罪と罰―須磨下向をめぐって
「年三」と「ねさう」の問題―玉葛論のために
浮舟の母・中将の君論―認知されない母子
「蜻蛉」巻後半の薫像―肥大化する対匂宮意識
文脈語彙の研究―『源氏物語』における「いまめく」・「いまめかし」
鄙なる世界―『紫式部集』二〇~二八番歌と『源氏物語』
順徳院と『源氏物語』―中世和歌と物語