内容説明
本巻は、南関東地方の諸県、東京、埼玉、神奈川、千葉に加えて山梨県を含めた構成となっている。日本列島各地には豊富な伝説が多発見できるが、東京、神奈川を含めたこの地域には、古くより伝説収集と研究の蓄積があった。中世の鎌倉、近世の江戸、近代、現代の東京は、いずれも文化センターの役割をもっていたのであり、伝説を記録する知識人の数も多かったことである。とりわけ江戸時代の学芸の発達は、伝説、世間話など奇事異聞についての関心を著しく高めたのである。本巻の編集も、まず各県ごとに従来蓄積された伝説資料をなるべく数多く集め、それらを例話と類話に分類したものである。