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内容説明
人間関係の基本は「信」―ウソをつかないことだといわれる。しかし、モラルや道徳ばかりにしばられていては、身動きできなくなることもある。「駆け引き」を心得ていなければ、人生でもビジネスでも後れをとってしまうだろう。これをたっぷりと身につけた者だけが、きびしい現実を生き残ることができるのだ。
目次
総説 現実に立脚せよ
第1部 勝戦の計
第2部 敵戦の計
第3部 攻戦の計
第4部 混戦の計
第5部 併戦の計
第6部 敗戦の計
著者等紹介
守屋洋[モリヤヒロシ]
1932年、宮城県生まれ。東京都立大学中国文学科修士課程修了。現在、中国文学の第一人者として著述、講演等で活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
224
孫子の兵法を数えると三十六になる。その内訳は”勝戦の計””敵戦の計””攻戦の計””混戦の計””併戦の計””敗戦の計”の6つに、それぞれ6つずつの策略があり、合計36になる。いわゆる「六六三十六、数中ニ術アリ、術中ニ数アリ。陰陽ノ燮理、機ハソノ中ニ在リ。機ハ設クベカラズ、設クレバ則チ中ラズ」(太陰六六を乗ずれば三十六となる。策略は客観的に基づいて、矛盾を把握し臨機応変に使いこなすことが必要であり、現実を無視すれば必ず失敗する)となる。2017/08/20
コウメ
47
第一計「瞞天過海、天をあざむいて海を渡る」守りが万全であると思えば、どうしても警戒心が薄くなる。ふだん見慣れているとこには、とかく疑いを抱かなくなる。人の意表な奇策はもともと人目につきにくい秘密の場所にしまわれているわけでなく、人目にたちやすい所に隠されている。第二計「囲魏救趙、魏を囲んで趙を救う」集中している敵に攻撃加えるよりは、まず相手の兵力を分散させ、そのうえでこちらから先制攻撃をかけるよりは、相手の仕掛けを待って、そのうえで制圧した方がよい。2019/09/07
カブトムシ
19
人の意見に反対で、自分の意見が正しかったら、その人と対立するのは当然である。戦うことは好ましくないが、色々策をめぐらし、あらゆる方法をめぐらし、参考にするのに足るのがこの本である。「『戦わずして勝つ』とは、武力で勝つのではなく、策略で勝つということである。『力』ではなく『頭』を使って勝つことともいえる。中国人は、三千年来、このような戦いを心がけ、それについて膨大なノウハウをたくわえてきた。本書『兵法三十六計』は、いわばそのような智略の集大成である。(まえがきより)」勝ち残りの戦略戦術が日本に望まれる。
はまななゆみ
17
うまく処世するには勝つべくして勝つということなんでしょうね。大昔から変わらない。でも、人間なので、つまらないことで失敗してしまう。。2016/04/01
春風
9
「檀公三十六策、走是上計」。これが「三十六計、逃げるに如かず」の原典という。10年くらい前に購入して、どこまで読んだか途中で止まっていたのを思い出して、一から読み直す。『三十六計』の書名の通り36の計略が並んでいるのだが、重複するような内容もありどうにかこうにか36の数字に収めた感が否めない。有名な『孫子』などと比べると編纂において一本筋が通っていないような気がして見劣りはするが、范雎の『遠交近攻』などの面的な計略が盛り込まれているあたりは面目躍如か。しかしながら畢竟『走為上』。本書の勘所はこれに尽きる。2024/11/13