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内容説明
武士道の光り輝く最高の支柱である「義」、人の上に立つための「仁」、試練に耐えるための「名誉」―本書は、強靱な精神力を生んだ武士道の本質を見事に解き明かしている。武士は何を学び、どう己を磨いたか、これを知ることはすべての現代人にとって重要である。英文で書かれ、欧米人に大反響を巻き起こした最高の名著を、奈良本辰也が、平易な文体で新訳。
目次
武士道とは何か
武士道の源をさぐる
「義」―武士道の光り輝く最高の支柱
「勇」―いかにして肚を錬磨するか
「仁」―人の上に立つ条件とは何か
「礼」―人とともに喜び、人とともに泣けるか
「誠」―なぜ「武士に二言はない」のか?
「名誉」―苦痛と試練に耐えるために
「忠義」―人は何のために死ねるか
武士は何を学び、どう己を磨いたか〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
121
ちょっと難しい言い回しが多かったが、なんとなく武士の世界が分かった様な気がする。2010/01/28
Take@磨穿鉄靴
46
新渡戸稲造著。海外向けに書かれた作品の逆輸入。武士道は残念ながら令和の世には存在しない。封建制度が消えてそのまま。絶滅はしたが確かに存在していた。桜のように美しく咲き、散った。正直今読んでも得るものはあまり無い。ただ本当に美しかったんだろうなと思う。「彼らは──鍛練に鍛練を重ねる自制心の生きた手本であった」今この武士道を体現出来る祖先が現れて生活しても事あるごとに無尽蔵に沸いてくる「名無し」に下品な言葉で叩き潰されるだろうな。武士道。ただ本当に美しいと思う。それが強いかどうかは分からないけど。★★★☆☆2021/03/08
けぴ
46
古典的名著と言われる作品なので読んでみる。西洋人から、宗教のない日本で道徳教育はどうしているのか?と尋ねられたことから新渡戸稲造さんが英語で書いた本。西洋のキリストの代わりは武士道である、との視点は興味深い。「義」が根幹にあるとのこと。もうすぐ忠臣蔵の季節。義を重んじることこの上なし。現代に武士道があるかは疑問符ですが(^_^;) 2019/11/03
ひろき@巨人の肩
35
Febeにて。1898年に洋書として「武士道」を論理的に書き上げた新渡戸稲造に脱帽する。まず先月読んだ五輪書の目指す武士との違いに驚く。江戸三百年の太平が武士道を良くも悪くも変革し、宗教に変わり日本人に道徳心を芽生えさせた。戦後以降も無宗教国である日本において、日本人の美徳として未だ根付いていると思う。武士が重んじた価値として7つの徳目である「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」を深く考えることで日本人をより理解できるのだろう。 2016/07/02
イプシロン
28
歴史は強者によって作られる。鎌倉時代以降の歴史は武家によって書き残されてきた。そのことを念頭に置いて読むことをお勧めする。近代以降の日本の価値観には武士道の影響があるのは事実だ。しかしそれは、他面で士・農・工・商・穢多・非人という日本の封建制度の1/6しか見ていない事実といっていいだろう。したがって本書にある新渡戸の美化されすぎた武士道観には聊かの不愉快さを感じた。武士道における五徳は「義・勇・礼・仁・誠」である。先に書かれたもののほうが優先順位が高い。一方、儒教における五常は「仁・義・礼・知・信」だ。2021/12/31