内容説明
トンパ文字は、中国雲南省でナシ族の人々によって伝えられてきた文字である。色鮮やかで絵のようなトンパ文字は現在も生き続けている象形文字。トンパ文字の背景にある世界観や文化には、現代人が忘れかけている自然との一体感や純粋な心があふれている。本書によって、トンパ文字に表現されているユーモアや智恵をお伝えする。
目次
1章 トンパ文字成り立ち物語(トンパ創世記物語;トンパ文字とは?;トンパ文字の成り立ち)
2章 トンパの智恵(幸福について;努力について;自然について)
3章 トンパ神話集(天女が川を作った物語;神が光を分けた物語;混沌から始まる物語1・2・3)
著者等紹介
王超鷹[オウチョウヨウ]
1958年中国上海生まれ。1987年来日、武蔵野美術大学大学院修士課程修了(造形学専攻)。現在、PAOSNET首席代表
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感想・レビュー
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紫羊
23
1章では、トンパ文字の成り立ち、トンパの創世記物語、いくつかのトンパ文字をピックアップして紹介。2章は、文字を読み解きながらトンパの智恵について考察している。3章は、トンパ神話集。楽しく読めました。2023/02/09
圭
13
今も使われ続ける象形文字トンパの本。簡単な文字のなりたちや意味、ナシ族の人々が暮らす美しい水の街、麗江と豊かな自然、神話や文化が紹介されています。人、山、水、花、馬、鳥、魚などを象る躍動感ある文字がカラフルに生き生きと描かれ、文字と文化と自然との強いつながりも感じました。赤色の「人」は「いい人」、青色の「人」は「厚着の人」。「花+人」は「美人」、「天+雪」で「冬」。色や文字の組合せで、別の意味が加わったり、違う言葉になったりととっても面白いです。2015/05/10
あやめ
2
八百万の神と似た宗教観のためか、それとも漢字のルーツと近いためか、文字の意味と形が納得できる。お茶の字がかわいい。2013/07/26
小葉
2
○ トンパ文字の可愛さもさることながら、写真で紹介されている雲南省の自然の美しさに圧倒されます。そしてナシ族の生活習慣が一昔前の日本に似ているとか、ナシ族は女系社会であるなど、知らない世界を垣間見られるのは楽しいです。2006/12/11