出版社内容情報
内容説明:
突然務めている会社が会社更生法の申請をしたことで、主人公はその会社において余剰人材とみなされ、45歳を過ぎてからの就職先を見つけるために、会社訪問を開始した。
そんな中、全く新しい仕組みで成り立っているある会社を訪問し,主人公はその会社の仕組み、特に人事諸制度に共感を覚え、その会社への再就職を決める。また、その会社の人材発掘をする社員とその業務を統括する取締役のやり取りで、その会社の風土・文化といったものが描かれていく。
一方会社更生法を申請した会社は、新たに乗り込んできた管財人によって、合理化がどんどん進められる。過去の企業悪事を知っている事で、会社を揺すれると思い当然残れると思っている管理職、今回の会社更生法の適用を利用し革新的な企業に変貌させようと意気込む管理職、媚びる事だけしか知らない女性縁故社員、などなど多面的な登場人物により、従来の価値観をどう個人が整理をつけて臨んで行くかのかを多面的な人材を通じて表現されていく。特に悪役となった管理職は、結果的に家庭崩壊を迎える。
主人公を取り巻く家庭環境、家の父母や兄姉の変化、今までいた会社で起こるウィールス感染による会社機能の完全停止、ハイレベルな経営者層のネットワーク、など全体を支えている周りの人たちにも目を向け、日本の企業のあり方に警鐘を鳴らす一冊。
エピローグ:
今日も会社訪問である。新卒の会社訪問ではない。
45歳になって始めた会社訪問である。考えただけで、
「なぜこうなったんだ!!」と叫びたい気持ちだ。
半年前、田中が勤務している南北設備株式会社は、
会社更生法の適用を申請した。
その日の朝、社内放送で突然、社長の音声が流れてきたこと
自体がいまだに信じられない。
<本文より>
目次:
1日目・・・・・9月19日(月曜日)
2日目・・・・・9月20日(火曜日)
3日目・・・・・9月21日(水曜日)
4日目・・・・・9月22日(木曜日)
5日目・・・・・9月23日(金曜日)
6日目・・・・・9月24日(土曜日)
7日目・・・・・9月25日(日曜日)
8日目・・・・・9月26日(月曜日)
出版社からのコメント:
田中敏男の勤めている会社が突然会社更生法の申請を行い、社員は大混乱。田中は45歳にして、連日再就職活動に励み、完全能力主義の新スタイルの会社、西洋エンジニアリングへの再就職を決意する。仕事にも馴染み、順調な日々を予感していた田中だったが、ある日、偶然にも自分の受けた皮肉な運命を知ってしまうのであった-。再就職活動に奮闘する男達を通し、日本の会社組織の何たるかを描く企業小説。
著者からのコメント:
日本企業の抱える諸問題の中で,企業に携わるステークホルダーの中でも社員の革新は非常に重要であると共に,急がれる戦略的な課題といえます。
その課題を,見方を変えるだけで非常に判りやすくする事が出来るアイディアを,小説の形で表現してみました。
けれども,どんなに会社が革新的な仕組みを作ったとしても,その仕組みの中で活動する社員が何の変化もしなければ企業活力は削がれてしまうと思います。
つまり,社員一人一人が個性・特徴・強みをきちっと自ら把握し,その総合力を如何に生かすかを自ら周囲の人に働きかける必要があり,これこそが個人のブランドイメージ(パーソナル:P,ブランド:B,イメージ:I)略してP.B.Iの育成を考えて実行すべき時期だと思います。正反対のとらえ方は,自己責任の範囲や深さは何処までか,キッチリ個人が認識しているかといった事でしょう。
皆で渡れば怖くない,責任のたらいまわしが出来る,スーツという保護色の中で自身をわざと埋没させる,何でも水に流す,噂も75日,建て前と本音の隔たりの放置,などおかしな事がありすぎる日本の企業が果たして革新出来るのだろうか,と心配になります。
この本は,社会人すべての方に,また企業の革新を考える職場にいる方に,ぜひ一読頂ければ,と思います。
著者について:
1951年、神奈川県逗子市生まれ。
1975年慶応義塾大学法学部政治学科卒業後、同年現横河電機株式会社に入社。国内営業(自治体)、海外事業統括(中国)、人材育成、マーケティング、生産管理、ファシリティー・マネジメント、総務、財務、子会社代表などを歴任。
2001年5月、退職。同年、有限会社コンパスローズ設立。
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