内容説明
中国大陸で算を乱して逃げ惑う混乱状態から、命からがら日本へ引揚げてきた妻子。その後は夫の生死も知れないまま、方々の縁故を頼りに頼って、放浪同然の生活を強いられる妻子の生活。そして、著者のシベリア抑留から帰還後の苦難の道。異なる時代の波風を、まさに「花も嵐も乗り越えて」培われていく家族との絆を、おだやかな筆致で描く自分史の傑作。
目次
続・嵐篇(終戦;越冬;引揚げ ほか)
更生篇(鈴鹿厚生寮;椿屋化粧品店;長吉まつり ほか)
老春篇(シベリア会;日中友好協会;金婚旅行 ほか)
著者等紹介
山下幸生[ヤマシタサチオ]
明治45年、宇治山田市(現伊勢市)に誕生。昭和5年、名古屋市立第三商業学校卒業。大阪中山太陽堂入社。昭和7年、徴兵検査甲種合格。同8年、津33連隊入営。翌年満州警備のため渡満。同年12月、満期。希望して現地除隊す。同年末、満州大信洋行に就職。大連、奉天、牡丹江、阜新の各地勤務、11年間。昭和20年7月、応召。8月終戦、シベリアへ。キリギス辺りの収容所(後に北朝鮮)にて捕虜生活。昭和22年1月、内地へ帰還。帰還後、行商(化粧品、石鹸等)15年間、のちにKK内金へ入社、津支店長、常務取締役
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