内容説明
丘の凍土の土饅頭の下に眠る少女、赤い着物の骸を池に浮かべた遊女たち、義勇隊の少年たち…敗戦から引き揚げまでの大連での厳しい生活を一家の主婦の目で描き、日本人として忘れてはならない戦争の真実を、抑えた筆致のなかに静かな怒りを込めて浮かび上がらせた文学的名編。
著者等紹介
浅野幾代[アサノイクヨ]
昭和31年5月、同人誌・第三次「北海文化」創刊に参加。同誌廃刊後、昭和38年、「北陸文学」同人に参加。昭和40年9月、女性のみの同人誌「朱鷺」創刊に誘われて参加。牧文枝のペンネームで、平成4年の終刊まで作品を発表。昭和60年5月、『大連物語』(北国出版社)を自費出版。同年11月、第13回泉鏡花記念・金沢市民文学賞を受賞。平成6年12月31日死去
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