内容説明
(社)聖音会(旧鎌倉保育園)の創設者・佐竹音次郎の評伝。明治から昭和へという近代化に向け、この激動の時代のなか、宗教的理想を追求してそれを実践した佐竹音次郎の魂の彷徨が濃密に描かれている。小学校教員時代、幼児教育の重要性に目覚め、その後、医師となり、在職中にキリスト教との運命的な出合いがあって、「身を殺して仁となす」精神を感得、一生を信仰共同体としての保育園事業に捧げる。引き取った孤児、遺児たちと、我が子との間に隔てのない一視同仁の育て方をする「聖愛主義」の理想を追求する佐竹音次郎の姿勢は、福祉の心そのままで、頂門の一針として人々の胸をうつ。
目次
第1部 聖愛一路(街の人気者;鎌倉保育園;障害者の人々;佐竹音次郎翁 ほか)
第2部 音次郎の社会福祉の特色と精神(音次郎のなした事業で日本で先駆的に手がけた事跡;大家族主義;音次郎の経営感覚;音次郎と社会主義運動 ほか)
著者等紹介
高田彰[タカタアキラ]
昭和23(1948)年~昭和46(1971)年鎌倉教会牧師。以後、日本キリスト教団神奈川教区巡回牧師として働く。現在は引退。宮本純子宣教師(ブラジル、パラナ州マリンガ市名誉市民、文化功労賞受賞。昨年勲五等瑞宝章を授けられる)後援会世話役代表。昭和25年に宮本氏よりブラジル行きの相談を受け、昭和28年にブラジル行きに賛成。鎌倉教会辞任後、健康回復ののち昭和52(1977)年初めて現地問安、翌々年より妻深雪同行で、平成11年(1999)に八回目の問安をした
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