内容説明
“チェロを弾いた後は必ず声がかすれ、喉が疲れるのはなぜ?”“啼き方が下手な鳥のために、教則本が売られているってホント?”クラシックと科学を見事に融合させた、目からウロコの音楽エッセイ集。
目次
第1楽章 音楽の窓から(残響;水墨画と弦楽四重奏曲 ほか)
第2楽章 楽譜のある風景(楽譜;変わった楽器 ほか)
第3楽章 曲に関する背景(ベートーヴェンの集大成―交響曲第九番ニ短調「合唱付」OP125;麻薬と音楽―対照的なベルリオーズとプーランク ほか)
第4楽章 時の流れのなかで(四半世紀前;「趣味」 ほか)
著者等紹介
山本正康[ヤマモトマサヤス]
1935年12月生まれ。薬学博士。1985年名古屋市立大学教授。教養部長、自然科学研究教育センター長を歴任。2001年名古屋市立大学名誉教授。元名立大管弦楽団顧問。瀬戸市民オーケストラ団員、アンサンブル・アミチェ、アンサンブル・アルコーレメンバー
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感想・レビュー
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trazom
98
名古屋市大・名誉教授の著者が、学生オケそして市民オケの長い経験(Vn、Va、Vcのマルチプレーヤは凄い!)を通じて音楽を語った一冊。音楽への深い理解と愛情に溢れていて心が温かくなる。音楽愛好家には「この演奏はダメだ」「このCDが名盤だ」などと、上から外から音楽を語る人が多くいて、私はそれが嫌でたまらないのだが、この著者の姿勢はそれとは正反対。楽曲を自分の地平で捉え、作曲家への敬意に溢れている。アマオケにおける娯楽派と芸術派の相克などを知り尽くした上で、仲間への深い愛情に満ちた著者のお人柄が、心に沁みる。2021/11/23