内容説明
「弥生通史」から邪馬台国を探る!!弥生文化の成立から邪馬台国にいたる紀元前300年から紀元後300年の日本列島の古代史のすがたを、最新の考古学知見と文献資料をもとに鋭く解明。弥生時代初期(紀元前300年)に中国大陸や朝鮮半島から「渡来人」が「稲作と金属器」をたずさえて大挙渡来し、「文明開化」をもたらすまでの日本は、「文化果つるところ」、原始野蛮の暗黒列島であったという倒錯した日本古代史観は、近年のめざましい考古学的発掘調査によってその虚構性を露呈しつつある。本書は長江文明に匹敵する古代縄文文明をきずいた列島土着の海洋交易部族である倭人が、「統一部族国家・倭国」を建国し、東アジア世界に雄飛した「古王国時代」の政治・社会・文化の実像を多元的な視点からあきらかにした本邦初の「弥生通史」である。
目次
第1部 通史編(墓制の変容と古墳のルーツ;大和地方と初期前方後円墳;2~3世紀の東アジア情勢;国家青銅祭祀の廃絶;倭国の産業・技術・文化 ほか)
第2部 評論編(江南人渡来伝説はどこまで忠実か;まぼろしの燕倭同盟;伽耶古代史探訪の旅)
著者等紹介
中島一憲[ナカジマイッケン]
1938年神戸市灘区に生まれる。1962年神戸大学文学部卒業(国文学専攻)。1966年大阪府豊中市役所入庁、総務部・市長公室・企画部・社会教育部・生活環境部各次長を歴任。1999年豊中市役所を定年退職。著作に『日本人の起源と古代史の実像―「渡来人」による文明開化史観への疑問―』1994(近代文芸社)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。