内容説明
日本を代表する製薬会社コメット製薬の黒田生起社長は、企業経営者としても国内外で一流の評価を得ている。その黒田社長の長男正敏(高校三年生)が殺害された。一億円の身代金をケチったためという話が東洋テレビの大沼陽一の耳に入った。再度誘拐犯から、今度は黒田社長の次男義明をターゲットに「三億円」の要求が出された。一年前の事件がぶり返したのだ。コメット製薬内部の犯行説に基づいて大阪府警の五十嵐かよ子婦警が事件解明に乗りだし陽一に接近してくる。医薬品業界を舞台に、ガンであることを自ら宣言した孤独な経営者黒田生起を軸に、陽一と五十嵐婦警が事件解明への足跡を追っていく。