感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kircheis
281
★☆☆☆☆ 「ミステリの幽霊」についての物語。ホラー小説家となった田村が中学生の頃に書いていた本格推理小説の幽霊との邂逅が描かれている。 中心は幽霊物語だが、構成は重層的で、著者自身をモデルにしたような人物のエッセイ、孤島で起こった悲しい殺人事件を題材にした短編など注目すべき要素が多くて混乱する。 様々な古典ミステリ作品について語られていたのは、ミステリファンとして楽しめたが、幽霊物語のみに集中したかったところ。2025/12/06
神太郎
27
これを読み、変格ミステリーってなんだったんだ?という気分。最後の飛鳥部氏の解説を読みながら、本来は変格が母体となって本格が生まれ云々を読み、つまりはミステリーだけどミステリーっぽくない…ってこと?という理解(あってるのか?)。本作、確かにミステリーしてるようでどこか調子が外れていて、然し読み心地は間違いなくミステリー。これは、なんだ?なんだ??と思いながら気づけば読了。何やら幻を見ていたのか、化かされたか…。そんな読後感。日本三大奇書も一応変格なのね…。、ジャンル分けに関してはわからん事ばかりだ。2025/08/11
ψ根無し草
4
まさに奇書と言うべき一冊。著者のミステリ偏愛が詰め込まれた「壺」と言うよりも「モザイクアート」と言った方がしっくりくるかも。殉教カテリナ車輪やバベル消滅などのガチガチのロジカル路線から、堕天使拷問刑や黒と愛のようなオカルトや不条理を取りいれた作品への転換期となった一冊なのかなと。2025/07/17
ちぇん、
2
現代と作中作、過去と書簡を行き来する複数階層構造。巻頭に絵画が挿入され作者は著者本人であったり実在作家であったり。著者の私小説的要素も。嘘か真か、何が幻想で現実か、「本格推理の幽霊」とは。結末は一筋縄で読み解けず当惑した記憶はあったが再読後の今も変わらず。自分が成長していないとも捉えられやや悲しい読後感。新装版で大幅追記されたのは、あとがき。開催イベントでのエピソードを記し著者の実在性が強調される。本編で散々実在と非実在を問いつつ新装版あとがきで近況を詳らかにするのは、作品へ対する今現在のアンサーなのか。2025/12/07
UPMR
2
最後まで読んでも結局なにがしたかったのかよくわからん。仕組みはぼんやり理解できたが、目的が遊び心しかないから、だからなんだよって思ってしまった。メタミステリである以上、本格ミステリとして新しい技巧を生み出すという手段の目的化自体がある種の騙し絵的な皮肉かと思わなくもないが、一読者からしたらこれまで付き合ってきた物語の虚構性を強調されるだけなので、徒労のほうをより感じてしまう。中盤で語られる本格推理への憧憬も、世代が違うからか正直、他人事感しかなかった。。2025/11/30




