感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えーてる
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「この作品はベーシックインカムを予見していた」と言われるが、そんな立派なものではないっぽい。ベルリ星人の「正義の執行」という考え方は、その後のいろんな作品でわりとポピュラーになった表現だと思う。本作が最初だったかは不明だが。ザ・ムーンが人類を粛清する側として登場してきたのは、あのザ・ムーンという作品を知るものととしては絶望感を煽った。最終回の、何の救いもない、圧倒的な敗北。黒船編にはオロカメンの出番はなかった。デロリンマン自身がオロカメンを思う余裕もなかったとも言える。2017/07/02
sucksuckhello
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ジョージ秋山はこの頃非常に多忙で何を思って書いたのか覚えていない、と言っているけれど、60年代の学生運動と黒船来週時の江戸時代の日本を重ねて、ディストピアSFの風味に仕上げるぶっ飛んだ発想は相変わらず唯一無二。(この荒唐無稽な設定とストーリーが成立するのは70年代というゆるい時代背景もあったと思うけれど。)使命感に燃えて対立を解消しようと働きかけるも、結果何もできずに人類と運命を共にするデロリンマンの立ち位置ももどかしい。2021/02/14