内容説明
心理学者・秋山さと子のみずみずしくもテンポの良い文章に、鬼才・スズキコージが独自の感性で絵をつけた奇跡のコラボレーション絵本が復刊!うまれてこのかたないたこともおこったこともない、よしおはとてもふしぎなこ。
著者等紹介
秋山さと子[アキヤマサトコ]
1923年東京都生まれ。文化学院、駒澤大学仏教学部、同大学院を経て、1964年から4年間ユング心理学研究所に在籍。東京ユング研究会を主宰しつつお茶の水女子大学、駒沢大学、東洋大学で教鞭をとる。1992年没
スズキコージ[スズキコージ]
1948年静岡県生まれ。1972年、『ゆきむすめ』(岸田衿子作)でデビュー。絵本著作多数、受賞多数。また、映画や演劇のポスター、舞台装置、衣装を手がけ、壁画や看板、音楽など活躍の場は広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
25
喜怒哀楽の感情をもたないよしおくんの飛びこんだ世界は、感情が爆発したような世界でした。 わけのわからない混乱世界の刺激を受けて、感情を取り戻したよしおくんでした。 めでたしめでたしというには、強烈なインパクトのある絵本です。2021/09/24
遠い日
14
感情を一切表さない男の子が見せ物になる恐ろしさ。泣くこと、怒ることはある意味、人間らしい心の表現。そこを突き詰めていけば、自然の感情の発露がいかにだいじかがよくわかる。2016/09/28
猿田彦
8
泣くことも、怒ることもできないよしおが、みんなが泣いたり怒ったりして暮らす町に迷い込んだ。珍しいからと「怒らない泣かない動物」として動物園で見世物になった。観客は石を投げたり棒で突いて刺激した挙句、つまらなくなって、町から追い出した。お母さんは、よしおを抱きしめ一緒に泣いていた。息子が動物として扱われたのが悔しかったのか、泣くと言うことが分かって嬉しかったのか、どんな気持ちだったのだろう。動物園に入れられる前、博士に「心が一つもない」と言われるが、こんな残酷な言葉が必要なのかな。2024/04/28
みよちゃん
7
感情を表さない事について、こんな絵本が生まれる驚きを感じた。2016/09/30
たくさん
4
スズキコージさんの絵はあんまりストーリーに印象というのでなく話半分でとつい思いがちで反省なのだが、これはストーリーに話を打たれる。絵もすばらしい。がまんが爆発する。強がっている人が初めて壁にぶち当たる。壁にぶち当たることの少ないタイプの大人の人にこそ読んでほしい。2015/08/15