感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
42
ハリスおばさんシリーズ4作目だそうですが、他の作品は読んでいません。 掃除婦をしているハリスおばさんが、得意先の作家の家で見た1枚の写真から、作家がロシア訪問時に一目惚れしたツアーガイドのリズをイギリスに亡命させるまでの物語。 ロシアへの5日間のツアーペアチケットを当てたハリスさんが、友達のバターフィールドさんと旅立ち、不可能と思えた夢を実現させてしまいます。 正直者で情の篤いハリスさんに、読んでいると私まで肩入れしたくなりました。 ハリスさんとバターフィールドさんの友情が、何よりも羨ましかったです。2015/10/13
paxomnibus
2
原著は1974年。東西冷戦も緊張緩和の時代、ソ連の首都モスクワにはジャンボジェットが就航していた。観光客向けのパンフレットこそ美麗なれど現地ではないものだらけ。本書で言及されている作家はソルジェニーツィンで著書は『収容所群島』だろう。ハリスおばさん、スパイもかくやという働きぶり。それにしても前作のラストでいい雰囲気になった人はどこへ消えたのか。そもそも居もしなかった事になってるっぽいのが英国的ではある。訳者が逝去により途中から代わったそうで、ハリスおばさんの発音がロンドン訛りだと分からなくなって残念。2022/12/11
読生
2
令夫人って言葉が今ではもう通じないかもしれませんね。 チャー令夫人の成り立ちを一瞬で理解するハリスさんはやっぱりただ者ではないです。 著者のソ連への思いがあふれ出まくっているような気がしますが、実際当時のソ連はこんな感じだったのかな…。 たびたび出てくる日本は、例のオイルショックでトイレットペーパーに人が群がってたあの時代なのですよね。 これもまた今の読者には説明しないとわかんないかもな。2021/06/05
hiromi
0
最近「コードネームU.N.C.L.E」を観たので、ソ連て本当にこういう怖い国なんじゃないかと思ってしまう…。2018/08/18