内容説明
私と同じ顔の少女は、いったい誰―?同一人物と見紛うほどよく似た2人の少女、名はいずれも「沙霧」だった。少女が愛に目覚めた時、よみがえる隠れ里の哀しき伝説。
著者等紹介
佐々木丸美[ササキマルミ]
1949.1.23‐2005.12.25。北海道当別町出身。北海道立当別高校卒。北海学園大学法学部中退。1975年、「二千万円テレビ懸賞小説」に佳作入選した『雪の断章』(講談社刊)でデビュー。詩的な美文と、ミステリー、ファンタジー、お伽噺、超常現象、仏教思想などさまざまな要素を絡めた独特の作風が特徴。物語同士に何らかの関連性を持たせ、奥行きがある独自の作品世界を築きあげた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
66
雪の断章を読んで以来気になった佐々木丸美氏。何故読んだことがなかったのだろう。乙女チックな内容に普通なら惹かれてたはずなのに。自分ともう一人の自分。心と体が(父親と母親のどちらからも去り難く)分離する本物と影に戸惑う周りの者・・。この年になって読めるって有り難い。佐々木丸美氏と似た年齢。読む時期が「ルドルフとイッパイアッテナ」と同じように時差が生じたのだ。56で逝かれた佐々木さんの本を読めるのも、ルドルフを読めるのも少し長生きして、少しパソコンに触れて、読メに登録して、皆さんの読書の豊富さにあやかれた。2016/08/22
tow
9
先に出てきた(読まされた)沙霧が影なんだよねえ。父親の深すぎる愛情でどうにか丸く収めた純愛ストーリー。※ちゃんと殺人事件もあります。2019/07/25
tow
7
「15年の人生の中で感動した人物または書物があったと思う。それをあげ、なぜ感動したかを600字以内でまとめよ」という高校受験の課題に取り上げ、50分で最後の一行まで埋めて仕上げて合格を手中におさめた感慨深い作品。2015/08/19
tow
6
不意に読み出すと止まらないマルミストです。2020/04/10
東雲
4
「影の姉妹」を受けての作品。結果的に一人の少女を二人の青年が愛する作者らしい恋模様。それと人間の二面性表と裏。作者の中でも好きな作品です。2015/01/18