著者等紹介
大海赫[オオウミアカシ]
1931年、東京・新橋生まれ。早稲田大学大学院仏文研究科修了。長く学習塾を経営。やがて、童話制作に専念。多摩センターで「リサイクルショップ魔女」を営んでいる
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感想・レビュー
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のっち♬
121
1976年発刊。作者はホラー系の児童文学者。子どもにしても擬人化された動物にしても"かわいい"とは対極のグロテスクな造形が強烈で作品自体が童心にトラウマを植え付けかねない凄みがある。学力が伸びる表題作は体裁上は成長譚だが、先端を尖らせたえんぴつに脅迫されるのだから改心もへったくれもない。『アップルパイ』は比較的地味で、『チョコリッキー』『トーセンボー』は不可逆の不条理オチが容赦ない。デビュー作『あなたのエラサはなんポッチ?』は世間一般の"偉さ"に真っ向から疑問を叩きつける著者の風刺精神の原点が顕れている。2024/06/18
PSV
31
完全にトラウマ本。どの話も基本、後味は良くないし、むしろ悪いくらい。子どもが読んだら、理解できないか、気持ち悪がるか、怖くて泣きだすかのいずれ。ただ、人間というものの本質をとらえる作風はさすがだし、気持ち悪いだけの絵も、ずっと見ているとなんだか愛着がわいて…ごめん、やっぱ無理。ともあれ、凄く意味のある、凄く価値のある本ではある。まさに、生ける伝説、レジェンドです。 ★★★★★ メキメキえんぴつもなかなかだけど、エラサを測る機械の話も印象的。2012/07/13
marumo
28
ちょっと調べたら「幻の童話作家」「トラウマNo.1」と、かなり物騒。初版1976年、その後復刊されたのですね。怖いような可笑しいような絵もご本人によるもので、子どもの頃に読んでたらどう感じたかしら?タイトルが絶妙。「メキメキえんぴつ」「あなたのえらさはなんポッチ?」、思わず口に出したくなります。言葉遣いもストーリー展開も今ならNGな自由さ加減。物語が破綻したって、気にしないったら気にしない♪と奔放です。ま、世上に疑問をたたきつけたってのは言い過ぎね。教訓0がよろし。少し気になる、私のえらさは何ポッチ?2016/06/29
花林糖
22
(図書館本)旧版・太平洋出版社刊。読友さんのオススメで読んだら不気味で面白かった。大海赫さんの絵もシュールで不気味で素晴らしい。「メキメキえんぴつ」「あなたの えらさは なんポッチ」がお気に入り。子供の頃に出会いたかった本。2016/06/16
魚京童!
20
絵がいいね。話も怖いし。こういうゾクゾクする感覚を読むと夏になったのだなって実感する。そして夜寝れないのだ。怖くて。2019/07/25